交わした約束は果たされることがないまま
花男・つかつく
凝る心
道明寺が４年後迎えに来ます。
そうメディアを使ってまで宣言してＮＹへ渡った。
『あんたを幸せにしてあげる』
あたしは、そう言って見送った。
寂しくないか？と言われれば・・・
やっぱり寂しい。
離れる距離が辛い。
そう素直に言えない可愛くない女。
自分でも思う。
けれどそれがあたしだから仕方が無い。
付いて行きたい・・・そういう気持ちもある。
でも・・・そんな事をすればあたしがあたしじゃなくなる・・・
だからあたしは日本に残って待つ事にした。
道明寺にそれなりに似合うようになる為に、Ｆ３に協力を頼んだ。
みんな協力してくれた。
その期待に応えようと必死に頑張った。
道明寺に報告したら
『無理はするなお前はお前でいい』
そう言ってくれたけれど道明寺と付き合うには今のあたしのままじゃ認められないだろうという事も理解しているから
少しでもあんたの世界に入れるように頑張るんだと言ったら真っ赤になってたね。
会えない時間と距離を埋めるように少しでも時間があれば連絡して。
道明寺の連絡があった日は、何気ない近状報告をして
アレが苦手とかこれは上手くいったそんな他愛もない話、でもあたしはそれで満たされていた。
でも、日が経つにつれ月が経つにつれ段々減っていく連絡。
不安だけれど、気になるけれど
「忙しくなるから連絡が中々取れなくなる」
そう言われていたのでそれを信じて毎日を過ごす。
もうすぐ約束の４年になるけれど・・・
あいつからの連絡はここ１年途絶えたまま。
本当に約束は果たされるのか？
本当に忙しいだけなのか？
疑う自分が嫌。
何でこんな事を考えてしまうのだろう。
溜息を吐きながら本を閉じる。
自分から連絡を取ろうと考えてもいるけれど
あいつは忙しいし会議中だったら？
忙しくて電話に出れる状態じゃなかったら？
考えて考えて結局連絡できないまま。
だらだらと時間だけが過ぎて行った。
不意に知らされる現実。
あいつは・・・４年を迎える前に
結婚していた。
政略結婚・・・誰にも知らせず
内々に連絡もなく。
約束の４年は幻で・・。
あたしの気持ちを置き去りに
交わした約束は果たされることがないまま
凍ってしまったあたしの思い。
終わり。
・・・ここ何作かつくし不幸でごめんよ・・・
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