郁のBGMはドナドナがメイン
クロイツ・序曲1
2ΧΧΧ年
「此処も随分荒れてんね~って人生きてんの?」
郁の台詞に呆れた顔で月が
「人の気配は微かだけどする・・・お前ホントに気配読むのヘタだな(´Д`)」
溜息と共に言う。
「月ちゃんセンサー絶好調?(^o^)ノ 」
茶化した様に楽しげに振り向いて言う郁。
郁の態度と台詞に月が黒いものを滲ませて背後にいる郁の双子の片割れを呼ぶ。
「律?」
どす黒い笑顔で呼べば…律は心得たように
「ああ、死なない程度ならいいぞ?(*´∀`*)」
と、簡単に郁を笑顔で差し出した。
律の許可を得た月は
「お許し出たし?遠慮せず逝け?(*´∀`*)」
綺麗な笑顔でそう告げた。
背後にいた桜は、助ける気皆無なので
「迷わず成仏しろよ郁( ̄ー ̄)」
綺麗に笑って手を振った。
「何ですと!?Σ(゚д゚lll)律と桜の裏切り者!!」
郁は非難するように叫ぶがアッサリと
「「いや?お前が悪いし裏切るも何もオマエの味方じゃないも~ん(`∀´)」」
律と桜にサラリと斬って捨られた。
「ヒドΣ(´Д`)」
ガックリと落ち込んむ郁だが
「「「黙って逝け??」」」
と言う台詞とともに数メートル吹き飛ばされた。
ちなみに月だけではなく、律と桜も共に蹴りを入れていた。
「郁は沈黙したし、月~業魔の気配は?」
邪魔者は片付いたとばかりに仕事の話に入る。
「無い」
短く月が答えると桜が
「俺も式神飛ばしてたけど全く無いよ?」
そう付け足す。
少し悩んで律が
「月も感じ無い、桜の式にも引っ掛かんない移動したのか?」
そう言うと横から
「さすがにそれは無いだろ」
と、郁が話しに加わってきた。
月、律、桜は、ちょっと引き気味になって
「「「復活力が化物並になったな郁(´・д・`)」」」
嫌な者を見る目でそう言うと
「皆してヒドイよo(TヘTo)」
郁がおちこんだ素振りで言ったが、月は
「それは置いといて|Д`)ノ⌒」
おいて置くと言ったが、手の動きは投げていた。
「置いちゃうの!?(;゚Д゚)!」
そう、言った郁を無視して月の顔つきが変わり
「・・・何か居る?」
何かの気配を感じてそう呟いた。
「人って訳じゃ無いな」
更に気配を辿って感じた事を口にした。
唯の人の気配ではないと……。
「ん~でも業魔じゃ無いよ…?人…って訳でもなさそだけど…」
桜が式の目から見た情報を言えば
「凄い速さで近づいて来てんよ?………もしかして俺達獲物に認定された?」
月が、物騒な事を付け足しつつ相手が物凄い速さで移動している事を告げる。
「迎撃は?」
律が問えば
「何時でも出来るようにしとけかな?」
ナゼか疑問系で月が答える。
「「「ラジャー♪」」」
楽し気に律、桜、郁が、返事を返しつつ戦闘態勢をとった。
桜が近付いて来たモノを見詰めながら月に問う。
「月アレ何だと思う?」
「多分…器のなりそこないだろうな」
不気味に変質したモノを見詰め桜の問いに答える。
桜は、ヤッパリ?という顔で頷いた。
その会話を何の気なしに聞いていた郁が
「器って業魔の?」
と、聞いたが軽くスルーした月が
「郁、桜近くを探索して来てくれる?
そうだな~地下街中心で魔神教団アジトを探してくれよ?」
こちらも見ずにそう言われてしまってはそれ以上聞く事ができなかった。
「了解にょろ~(∩´∀`)∩」
ちょっと思いつめたような顔をした月を和ませようとふざけた感じに返事を返したら
「もいっぺん逝っとく?」
笑っていない目で月にそう囁かれた。
「器のなりそこないが此処をうろついてるって事は業魔本体はどこだろね?」
疑問というわけではないが、探さなければならないので考える素振りで呟く桜。
「それを調べて来てね~桜?郁は盾にでもしていいから?」
律がサラッと言った。
それに対し
「律ちゃんヒド…(つд⊂)」
郁が泣き真似をすれば今にも刺すよ?といった感じで
「とっとと逝け?」
針を突き付けて月が、黒い慈愛の笑みで呟いた(どんなだ?)
「行ってくるね~」
桜が、郁を置き去りに走り去った。
それに焦った郁が
「置いてかないで~桜~俺はまだ逝きたくねぇよぉ!!死にたくねぇよぉぉぉ:(;゙゚'ω゚'):」
叫びながら郁は桜を追って走っていった。
桜と郁を見送って、律が月を振り返り
「で、月…俺らは器を調べんのか?」
と、問う。
月は、少し思案する様に律に向き直って
「律…アレ普通の器じゃなさそうだ」
そう告げた。
月の言葉に、もう一度器を見るとその姿が、グニャリと歪んで変形した。
「……!?なっ何だアレ…」
その様子に少しだけ驚いて呟いた律に付け足す様に月が自分の感じたものを話した。
「まだ業魔の一部残ってるようだな…存在すら感知できない程度のな……
ソレと、器の魂(コン)が、僅かながら残っている。けれど…それも人とは言い難い」
それを聞いた律は、唖然とした声で
「マジすか!?」
呟いた。
その律の呟きに苦笑しつつ月が、話を続ける。
「…器の力のが強いのか………形を保っている…業魔を降ろせば器になった者は己が意志も姿も亡くすのにまだどうにか形を残している…そして業魔の一部を入れたままうろついてる……きな臭いな?
律もそう思わん?」
何とも言えない笑顔で月にそう言われ律は、顎に軽く指を添えて思案して
「検体行き?」
月を振り返ってそう言えば、苦笑を浮かべて
「だな」
と、月が相槌を打った。
その答えにやはり苦笑を浮かべた律が、器に視線を戻して
「あ~まぁ、確かに捕縛は郁向きではないな(笑)」
そう言えば月は、いたずらっぽく
「だろ?」
チラッと舌を出していった。
そして真面目な顔になり律に視線を向ける。
律は、それに頷いた。
「じゃ、始めるか?月」
その言葉と同時に走り出し
「ああ。援護頼むね律ちゃん♪」
己の武器を抜き放ち迫る人とは呼べないモノに向かって行った。
律は銃を構え口の端だけで笑って了承した。
一方その頃桜と郁は…。
廃墟と化した街を探りながら歩いていた。
寂しくなったのか、飽きたのか…たぶん後者(笑)な郁が、桜に話しかける。
「さ~く~ら~」
「ん~?」
シキを飛ばしつつ気配を探っていた桜が郁の呼び掛けに振り返ると、郁が珍しく真面目な顔で
「月って俺に冷たくないかにゃ?(´・ω・`)」
どうでもいい問をぶつけてきた。
桜は、真面目なのは顔だけか…と、的外れとも言えない事を考えながらも、郁の問い掛けに何とも言えない胡散臭げな笑顔を浮かべて
「……安心しろ。俺も月も律もイタイ星の子だと思ってるし?」
サラッと答える。
その言葉に、よよっと泣き真似をした郁が
「…桜さん言葉が痛いっすよ(つд⊂)」
そう言うと、桜が背後に黒い何かを従えて
「(黒笑)そんなんいいから仕事しろや?」
【ドカ!】
言葉とともに郁に蹴りを入れ郁を突き飛ばした。
「桜~いきなし蹴んなぁ―ってう゛ぉあ!?」
抗議の言葉とともに飛び退いた郁に、先程郁の居た場所を指差し
「敵だぞ郁(笑)」
笑顔で言った桜。
「蹴る前に言ってくれ」
一応抗議してみたが
「あはは…隙作って~符呪発動するから♪」
やっぱりスルーされた。
長年の付き合いで、こうなった桜に何を言っても無駄だと悟った。
「ハイハイ解りました―よっと!」
合意の言葉とともに双剣を抜き放ち敵に斬りかかる。
「業魔の力に釣られた小物だなっと」
相手の魔の手応えに小物と判断してそう言った瞬間背後、桜の方から光が走った。
そう、認識したとき
「―符呪覚醒―焔爆」
【ドォォォン!】
桜の言葉とともに攻撃が炸裂した。
咄嗟に飛んで避けた郁が、
「すみませぬが桜さん…なして俺まで爆発に巻き込むかな?」
そう抗議するも笑顔で
「符呪覚醒させたら逃げようよ?月と律なら逃げてんよ?」
そう返され引き攣り気味に
「あの二人は遠距離攻撃可能じゃんか!」
そう、付け加えるも
「えー?月は暗器使ってるとき割と射程短いよ?たぶん(笑)」
笑顔でもってそう返され、それ以上何も言えなくなった郁を、符をヒラヒラさせて見ている桜。
そんな桜を恨めし気に睨んで
「桜…ワザとかい(泣)」
言ってみると、肯定的な笑顔でもって
「(ΦωΦ)フフフ…行くよ?多分近くにアジトあるよ?」
そう言われ何かを悟った郁だった。
「解ったよ~(何言っても無駄そうだし)」
シクシクと桜の後について行くのであった。
その時の心境BGMは、ドナドナだった。
~BY郁