天使時々悪魔or魔王?番外編
つくしのチョコは誰にもあげたくないって思うんだ(*´∀`*)
バレンタインの思い出。
花沢類6歳。
今日一つ下の妹つくしが初めて料理を作っている。
本当は危ないから調理場なんて入れたくなかった。
だけど、どうしても作りたいものがあるからと言って聞かなかった。
だから危ない物を触らない。
火は危ないから料理人にやってもらう。
包丁で切るのもダメ。
その条件での料理だけれど、それで出来るという事なのでOKした。
だけど心配。
調理場を覗こうとしたらつくしに怒られたから我慢してリビングで待っていた。
部屋に居たら何かあった時すぐに駆けつけられないからね。
いったい何を作るんだろう?
「うん。ありがとう。後で取りに来るね」
そう言って調理場から出てきたつくし。
「あれ?もう終わったの?」
「うん。今冷蔵庫で冷やしてるんだ~」
そう言ってニコニコ笑う妹が可愛い。
「何を作ったの?」
ん~と考えて秘密。
そう言って笑う妹。
なんか複雑。
「ねぇ類お兄ちゃん。あたしね・・・お兄ちゃん大好きだよ」
ニッコリと笑ってそんな事言われちゃったらもうダメ。
僕絶対つくしを誰にもあげない。
つくしを泣かす奴が居たら・・・
地獄見せてあげるから・・・
新たに心に誓った。
「僕もつくしが大好きだからね」
ニッコリ笑ってつくしを抱締めた。
夕飯を食べて、調理場にまた行ってしまったつくし。
今日作ったものが出来上がるようだ。
いったい何作ったんだろう?
暫く待っていたらパタパタと調理場から出てきたつくしの手に乗っている綺麗にラッピングされたもの。
今日作った物だろう。
その一つを僕に手渡してくる。
「はい。類お兄ちゃんはっぴーばれんたいん♪」
渡されたのはチョコレート。
溶かして固めただけの簡単なものの様だけれど僕にとって一番うれしいチョコレート。
「ありがとう、つくし」
嬉しくてどうしていいか解らない。
そのもう2つあるのは何だろう?
「つくし残りはどうするの?」
もし誰か他の奴に渡すなんて考えただけでも・・・ネ?
「これはね~パパとママにあげるんだ。明日帰って来るって言ってたもん」
ニッコリ笑って可愛い。
可愛いけどなんて言った今?
父さんと母さんが帰ってくる?
僕全く聞いてないんだけど?
「あれ?類お兄ちゃん聞いてないの?」
コテンと頭を横に倒して言うのが何とも言えず可愛い。
「聞いてない・・・」
本当に父さんも母さんもやってくれるよね?
絶対僕に知られない様にしてるんだ。
でも・・・知っちゃったし・・・
絶対邪魔してやる!!
決戦は明日。
邪魔するための作戦考えないと。
ただ・・・今日は、つくしと一緒に寝よう。
チョコレートは、とっておきたいけれどダメになったらつくしが悲しむから、少しずつ食べよう。
もちろんつくしと一緒に。
後は、来月、ホワイトデーにはきっと僕も手作りで、つくしに食べてもらおう。
決意を新たにつくしを抱締めて眠りについた。
終わり。
つくし初めての料理はバレンタインチョコレート。
類と両親用。
だけど両親にチョコが渡ったかどうかは・・・どうなんだろうね?