花男IF
Prologue
~回り始める時間~
NY道明寺財閥本社社長室
難しい顔をして日本からの報告書に目を通す楓。
その横で滝のような汗を背に流しながらも何事も無いように振る舞う秘書西田。
報告書といっても仕事関係の報告書ではない。
日本に居る猛獣・・・もとい道明寺財閥後継者道明寺司の私生活に対する報告書だ。
そこに書かれている暴挙の数々、勉強、英才教育、帝王学に至るまでの報告
それは頭を抱えたくなるほどに
・・・酷い。
暴力沙汰でもある程度低いものならどうにでもできる。
あまりに酷くならなければ・・・と思う。
が!!
教育の程度に頭を抱える・・・。
日本語さえまともに話せないのか司!!
と・・・
「西田・・・」
「何でしょう社長」
「私はつくしちゃんを日本に帰国させたくはありません」
「はい?」
「ですが・・・日本の学校にも通う必要があるのです」
「そうですね。道明寺がいくらNYを本拠としていても日本人ですから日本の学校に通う必要もあるでしょうね」
「そうなのですが、司のこの状況をみると・・・つくしちゃんに悪影響を及ぼすと思うのです」
「ですが・・・もしかしたら司様もつくし様の手前少しは・・・本当に少しですがマシになるかもしれませんよ?」
少しを本当に少しと言い直して告げる西田。
楓は少し考える素振りをする。
「・・・そうですね。そうなる事を祈りましょう・・・
ですが、心配なので椿とタマさんに日本に行ってもらいましょう
あの2人が居るのにつくしちゃんに馬鹿な事を教えたりはしないでしょう」
「はい、ではそう手配させていただきます」
一礼して社長室を後にする西田だが
「ですが・・・総裁が・・・あの人がつくしちゃんを素直に日本に帰国させるかしら?」
ため息交じりにつぶやいた楓の言葉を社長室から出る瞬間聞いて
(それは一番解決し辛い問題だと思います社長)
と心の中で呟いた。
その日から1年後、つくしは日本に帰国する事になる。
終わり。
prologue楓さんと西田さんで終わっちゃった。
一年後の理由・・・総裁の説得に費やした期間。
楓さんはつくしに対して親ばかです。
つくしの爛漫さに癒されてます。
総裁の方が親ばか仕様になってますよ?