I F
~彼らの相手をするなら武器使用を認めてください~
野獣と超獣は・・・一般的な人間では相手になりません
西門の屋敷に来て挨拶を済ませ、それじゃあ帰ろうと思ったが、師匠である総二郎とその両親、家元夫妻に少しお稽古でもして行けば?と言われた。
久々に茶室でお茶を点てるのもいいか・・・と思ったが、ドタバタしていたので結構時間が遅くなってしまっていた。
そろそろ家に帰って両親に・・・特に父、暁に電話をかけなくては心配してプライベートジェットを飛ばして日本に来てしまいそうだ。
だから今日は遠慮して後日改めて来ようと思いその旨を告げようとしたところで俄かに玄関の方が騒がしくなった。
そんな事をつくしが考えている頃、西門邸に着いた野獣&超獣・・・司と椿。
「つくしはどこだ?」
開口一番問うのは大事な妹の居場所。
それは、司だけでなく椿にしても一緒。
女性にだらしないという印象が強い総二郎だ、2人にとって大事な妹を守る上でコイツとだけは2人きりにしてなるものかと思っている。
もしつくしに何かあったらなんて考えたら・・・口に出しては言えない。想像もしたくない。
それが父の耳に入ったら・・・超獣、野獣を怒らせる以上の恐ろしい結果しかないだろう。
「今、家元夫妻とお話をなさっておいでですのでもう暫くお待ちください」
とりあえず低姿勢でお伺いを立ててみるも青筋が増えた。姉弟ともに見事なほどに・・・
「あぁ゛!?」
凄む司を押しやって椿が前に出た。
「司、アンタはちょっと黙ってなさい。・・・私達は、大事な大事な大事な×100大切な可愛い妹のつくしちゃんを迎えに来たのだけれど」
だからおとなしくつくしを出せと言外に言っている。
その迫力と背後のオーラが恐ろしくちょっと顔を青ざめさせる。
けれどこちらだってつくし獲得のためなら負けていられない。
いろんな意味でつくし以外に次期家元の嫁は務まらないし考えられないのだから。
「ご挨拶が済み次第お帰りになるとつくし様も言っていらっしゃいましたから・・・」
だからおとなしく帰れ。それか時間まで待ってろと言外に匂わせる内弟子達。
その言葉の意味を野生の勘で察した野獣司は、見事な青筋を更に浮かべて・・・キレた。
「あぁ゛!?テメェら覚悟は出来てんだろうな?」
バキッと玄関横の植木を叩き割る。半分から綺麗にポッキリと折れた木を呆然と見つめる内弟子達。
え?そこ折っちゃう!?そんな考えが浮かんで顔が真っ青になる。
だが、ここで折れてしまっては西門に明日はない。そんな思いで必死に獰猛寺・・・道明寺姉弟を止める。
何人も縋り付くがそれを物ともせずにズルズル引きずって歩いていく姉弟。
だんだん騒ぎが近付いてくるのを感じる。
その度に、ドカッ、バキッなど何かを叩くなんて可愛らしものではない音が聞こえてくる。
不思議に思いそっと障子を開けて覗いてみるつくし。
その目に映ったのは・・・西門の内弟子達を引き摺り、拘束しようとする内弟子を投げ飛ばしている自身の姉と兄の姿だった。
覗き込んでたつくしを見付けて目を輝かせる椿。
未だ見たことがないほどの笑顔の司。
その2人の視線がつくしの後ろから顔を引きつらせている総二郎にロックオンされた。
「「総二郎・・・つくし(ちゃん)に何もしてないだろうな!?(でしょうね?)」」
それは綺麗な笑顔で般若を背負う椿と青筋を立てそれはそれは・・・何日もご飯をおあずけされて今にも獲物に飛びかからんとしているような司に詰め寄られてガクガクと揺さぶられる。
あまりの予想外な姉と兄の様子にただ呆然と佇むつくし。
その状況を自信が呼び込んだとはいえ、何とも言えない顔で点々と続く内弟子達の屍?を見るあきら。
「・・・え・・・っと・・・椿お姉ちゃん、司お兄ちゃん?久しぶり?で、あの、どうしたの?」
つくしは、とりあえず2人の意識をこちらに向ける事にした。
「つくしちゃん久しぶりね。遅いから迎えに来たのよヽ(*´∀`)ノ」
そう言って総二郎を投げつくしに抱きつく椿。
「あぁ久しぶりだな、あきらからメール貰って迎えに来た。挨拶終わってんだろ?とっとと帰るぞ」
そう言われてそんなに遅かったのか?と首を傾げ時計を見ると確かに日本に着いた時間から結構経っていた。
早くしないと暁が騒いで仕事にならないだろうと思いたち家元夫妻によろしくお願いしますと言って兄と姉に挟まれるようにして帰った。
道明寺姉弟の帰った西門邸は、ところどころ破れた障子の張替え。
傷だらけの内弟子の治療が行われた。
内弟子達は思い悟った。
あの姉弟の相手は・・・自分達では無理だと。
終わり。
グダグダ。
久々にIF。何がしたかったんでしょうか?
・・・いつ・・・類がでてくるのだろう?ヽ(´∀`)9 ビシ!!