すべてを知りながら許してくれていた
花男類つく
深い愛情
あたしの我儘に付き合ってくれた。
ずっと知っていたんだね。
それでもあたしに合わせて
気付かないふりを続けてくれていた
優しい男(ひと)花沢類。
あたしは、類と次のステップに・・・
恋愛へ恋人になる事が怖くて恐くて
ずっと逃げていた。
この距離が空気が空間が心地良いと理由をつけて
逃げていた。
理由は道明寺。
あいつが刺されて助かったけれどあたしを忘れた。
その事で一方的な別れ・・・
あたしは忘れていないのに好きなのに・・・
一生懸命にしてきた恋を中途半端に・・・宙ぶらりんに終わらせてしまった事でまた恋するのが怖くなった。
大きく残ってしまった失恋・・・と言えるのか分からないけれど・・・その傷が癒えなくて。
苦しんでいる時にずっとそっと寄り添ってくれていた類。
道明寺への想いはゆっくり癒されてきたようで・・・
気が付くとあたしはまた類に恋していた。
でも言えなくて、今の関係を壊したくなくて
口を噤んでもう少しと言い続け
想いを封印していた。
そんな事で彼を騙せる筈は無かったのに。
類は、知っていた。
気付いていた。
あたしの恋心に。
でも黙っていてくれた。
気付かない振りであたしを包んでいてくれた。
その深い愛情で包んで
すべてを知りながら許してくれていた
だからあたしはもう逃げない。
ねぇ類。
「あたしは花沢類が好きです」
類のビックリした顔。
その顔だけであたしは幸せを噛みしめられるんだ。
だから
ずっとあたしを
その深い愛情で包んでいて・・・
ねぇ類？
終わり。
類はつくしの為なら何でもしそう・・・だよね？
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