本当の姿は見せられない・・・
1・そんなことで拗ねないでくださいよ
花男・あきつく
余裕とプライド
牧野は今じゃ俺の大切な人で会社では秘書。
結婚を前提にお付き合いをしている。
婚約発表はまだ先だけど、
お袋が喜んで騒いで、言い触れているので
お袋のお気に入りでもあると周知の事実。
それを知っていながら俺に色目を使ってしな垂れかかる女。
重役の娘だったり、相手方の社長の娘だったり・・・
無碍にはできない相手。
ポーカーフェイスで躱す。
暗にあんたには興味ないという事も言ってみる。
けれど相手は馬鹿なのか?と言いたくなる位人の話も態度も気にせずベタベタと触れて猫なで声で話しかけてくる。
非常に不愉快だし、気持ち悪い。
昔の俺だったら女に言い寄られてもそんな事感じなかったかもしれない。
けれど今は違う。
好きな女が傍に居る。
大事な牧野に勘違いされて嫌われたくない。
今日もそう。
仕事だというのに娘を連れてきて俺に薦める。
牧野を見ると震えている。
牧野を落ち着かせたくて手を軽く握る。
相手には見えないように。
安心して欲しくて・・・俺には牧野だけだって想いをのせて触れる。
牧野はビックリしてそれでちょっと赤くなって俺を軽く睨んで・・・
それ恐くないぞ?
誰も見て無かったら抱きしめてキスしたい。
そんな事を言ったら真っ赤な顔で怒って・・・拗ねそう。
やっと解放されて部屋に残ったのは俺と牧野。
お嬢様の執拗なアプローチにぐったりしている俺。
牧野は、ずっと我慢していたんだろう、少し拗ねている。
お嬢様の方がいいのかもとか余計な事を考えているんだろう。
シッカリ顔に出ているし声にも出ている。
本人気付いて無いけど・・・
「俺が好きなのは牧野だけだよ?」
抱きしめて耳元で囁く。
真っ赤な顔で俺から離れようとする。
でも逃がさないよ。
腕に力を入れて抱きしめる。
ちょっと拗ねた顔で俺を見上げる。
「何か、美作さん余裕あり過ぎてムカつく」
そう言ってそっぽを向く牧野がかわいくて愛しい。
でもさ・・・
そんなことで拗ねないでくださいよ
俺だって余裕なんてないんだけど?
余裕あるように見せる俺のプライドなんです。
だから答えの代わりに抱きしめる。
壊さないようにでも強く。
俺のいつもより早い心音を聞かせる様に。
牧野のその拗ねた顔にも欲情しちゃうんだよ?
だからあんまり仕事中に俺を・・・
刺激しないでくれよ?
終わり。
仕事中に我慢の限界が来たら面白い←
限界突破したらどうなるのでしょうか?