8:一緒に寝る(はい怖くない怖くない)
花男・類つく
優しい時間・・・
うつらうつらしていると、重いドアの開く音。
牧野の気配と香り。
創った匂いじゃなく自然の香り。
その香りに包まれると落ち着く。
「ん・・・牧野おはよう?」
「あ、起こしちゃった?ごめんね花沢類。おはよう」
そう言ってニッコリ笑った牧野。
俺の好きな笑顔。
向日葵みたいなその笑顔を見ると暖かな陽だまりに包まれた気になる。
「あんたのごめんは聞き飽きてる」
「あはは・・・でも今日は暖かくてお昼寝日和だね~」
「ん。でもちょっと寒い」
「え?大丈夫?さすがにブランケットとか持ってきてないし」
ぶつぶつ言って悩んでる顔がぷぷ・・・面白い。
「ん~ラウンジ行く?あそこならソファもあるし
ブランケットもあるよ・・・それに室内だから暖かいよ」
良い事思い付いたって振り返って言う顔が可愛くって
つい抱きしめる。
「ぎゃ!!なななななな何すんの!!花沢類~は~な~し~て~!!!」
「牧野うるさい・・・」
叫んだ牧野に文句を言うとちょっとシュンとなった。
「あ、ごめん!!じゃなくって離して?」
あ騙されて流されなかったか・・・。
「イヤ」
ちょっと拗ねた振りしてプイッと横を向く。
「イヤって・・・困るよ」
真っ赤になって慌ててる姿も可愛い。
「だってこうすれば暖かいでしょ?」
それに俺が牧野抱きしめてたいし?
「暖かいって・・・でも、あたしは恥ずかしいっつーの!!」
それは聞こえない振りで抱きしめたままゴロリと横になる。
まだ諦め悪くジタバタしてるから、優しく背中をポンポンと軽く叩く。
「怖くない怖くない・・・暖かくて落ち着くでしょ・・・?」
「・・・別に怖くないし・・・恥ずかしいって言ってるじゃん」
不貞腐れたように言ってるけど顔は真っ赤で・・・
「くすっ牧野真っ赤」
「う・うるさい!!・・・」
そう言って怒ってブツブツ言ってるうちに寝息が聞こえてきた。
「あ・・・寝ちゃったんだ・・・」
寝顔を見てその唇に軽く触れるか触れないかのキスをする。
もう一度顔を見て・・・しっかり抱きしめる。
「俺はあんたの傍に居る事が一番幸せなんだ・・・」
聞こえてないだろうけれど耳元で伝える。
牧野・・・
あんたの隣で
あんたの体温を感じて
あんたと共に居る事。
それが俺の幸せ・・・
そんな優しい時間が
ずっと続けばいい・・・
願うよ・・・
ずっと
君を抱きしめていられるように
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