この夜が幸せなら明けなくていい
迫る夜明けがただ恐ろしく
花男・あきら→つくし
君の温もりを抱きしめて
泣き疲れて眠ってしまった牧野を抱きしめて家へ帰る。
家には牧野専用の部屋がある。
ボロボロになった牧野が心配で何度か家に泊めた。
お袋も妹達も牧野を気に入って来るのを楽しみにしている。
車に乗せる時も・・・乗ってからも牧野を放せず抱きしめたまま。
夢の中でも泣いているのか？
眠る牧野の閉じた瞼から睫毛を濡らす滴。
そっと唇で拭ってやる。
くすぐったかったのか微かに震える。
その仕草さえ愛おしくて
ずっとこの腕に閉じ込めておきたくなる。
出来もしないくせに。
部屋のベッドへ寝かせ髪を撫でる。
何の手入れもしていないだろう髪。
でも真っ直ぐで艶やかでずっと撫でて痛くなる。
細い腕・・・小さな手・・・
いつもパワーに溢れているから気付かなかった
小さな身体。
こんな身体でどれだけのモノを抱えて支えてきたのだろう？
小さな手を握って顔を覗き込む。
青白い顔。
優しく撫でながら願う。
君の幸せを。
視線を上げると窓の外に
薄らと昇る細い細い
消えてしまいそうな月。
まるで今の牧野のよう・・・
消えてしまいそうで
恐い。
夜空を見ながら願う思う
ずっと夜が続けばいい
牧野が眠っていればいい
牧野が傍に居る事が嬉しくて
迫る夜明けがただ恐ろしく
眠り続ける牧野にそっと
口付た・・・
傍に居るから忘れないでという
想いをのせて。
終わり。
急展開モードに突撃してくれないかなぁ・・・(何それ？
そして中途半端におわるｗ
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