闇の怖さなんてそのころは思いもしなかったんだ・・・
８・本当の暗闇を知る
花男・あきら→つくし
翳る月
司が牧野を好き。
だから俺は、自分の心にブレーキを掛けた。
これ以上好きにならない。
牧野は司のダチの好きな女だから。
強固なブレーキ、封印した心。
なのにそれは脆く俺の気付かないうちにゆっくり外れていたようで・・・
気付いたら遅くて。
牧野に惹かれていく自分を全く止められていなかった。
なのに俺はダチの振り、仲間の振りを続けた。
ダチの女には手を出さない。
俺達の暗黙の決め事。
だから自分の心を偽って見ないふりを続ける。
苦しくても辛くても・・・
だってそうだろう？
牧野は優しすぎる。
純粋で情に厚くて涙脆い優しい女。
強がっているけれど本当は弱いところのある女。
俺が牧野を好きだと言えばきっと困らせ悩ませる。
そんなの俺の本意じゃない。
泣かせたい訳でも困らせたい訳じゃない。
類じゃないけれど
牧野には笑顔で居てほしい。
だから口を噤んで知らない振り。
俺が苦しくても構わない。
牧野を苦しませなくて済むならば。
綺麗事だと言われても
今俺が望むこと。
けれど神様は残酷で・・・
牧野が司と付き合う事を俺達に告げた。
その時知った。
真っ暗になる俺の心。
黒く染まる世界。
傍に居られるなら
仲間としてでも傍に
けれど俺の世界は真っ暗になった。
陽(ひ)の光も届かないほどに・・・
クレセントムーン
俺自身のような月。
俺の心は欠けすぎて無くなってしまった月。
そして俺は
本当の暗闇を知る
だけど牧野が困るから。
俺の心は言えない。
ブレーキは欠けて壊れそうになっているけれど。
欠けた欠片を掻き集めて笑う。
俺はまだ君に
笑えているだろうか？
真っ黒に染まった俺の世界で・・・
終わり。
つくしの為に辛くても見守ろうとする。
けれど光が陰ってしまったあきら
どうなる！？
知るか！！(おぃｗ
だんだんあきら→つくしから・・・あきつくになるといいな・・・
とか他人事のように呟いてみたり？
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