君のくれる言葉はいつも俺を優しく包んで満たしてく
花男・類つく
優しい呪文
いつも繰り返される言葉。
あんたの口癖?
いつも言ってるのに聞き飽きたって。
でも本当はその言葉を聞くのが嬉しくて・・・
その言葉を聞いて心に響く音になるのは
牧野・・・あんたの声だけ。
今日も非常階段であんたの来るのを待ってる俺。
大学に進学しても高校の非常階段は特別な場所。
だからつい来てしまうんだ。
別に約束なんてしていないけど
きっとあんたは来るよね?
階下から軽い足音・・・。
この足音は牧野。
「あ~やっぱりここに居たんだ花沢類」
牧野声大きいよ?
「何か用事?」
別に用事なくても逢いたいけど。
「別に何もないけど?」
探してたんでしょ?
何でもないって何?
「探してたんじゃないの?」
「あはは~違う・・・くないのか?」
「牧野・・・変」
「変って・・・」
「探してたんじゃないなら何?」
俺の言葉にちょっと赤くなって視線を彷徨わせてブツブツ。
何言ってるのかと耳を澄まして・・・
『・・・じゃん・・・言えないじん・・・
1日に少しでも花沢類見ないと・・・話しないと落ち着かないとか言える訳無いじゃん』
・・・え?
聞き間違い?
俺の願望?
いつも俺の感情を揺らす牧野。
逢えないと淋しくて逢えれば嬉しくて。
幸せ。
逢えても切なくて苦しくて。
でもその苦しさも切なさもあんたが居るから感じるならその思いさえ愛おしい。
そんなこと考えてるから聞こえた幻聴?
「俺と会えないと落ち着かないの?」
確かめたくて口をついて出た言葉。
否定されたら・・・
立ち直れないかも
じっと見ると牧野がこれでもかっていう位
大きな瞳をさらに大きくして
「え・・・?あたし何か言ってた?」
俺の幻聴だったの?
それとも確認?
「あんたの独り言大きいから?」
確認作業だと信じて一言。
見る間に真っ赤になる牧野。
俺の利き間違いじゃなかったんだ。
「ああああああたしのバカァぁ~~~!!」
叫ぶ牧野うるさい。
「牧野うるさい叫ばないで!!耳痛い」
慌ててアワアワしてる牧野が小動物みたいで可愛い。
「あ・・・ごめんね花沢類」
あんたの口癖。
「くす・・・ごめんは聞き飽きてる」
「う・・・」
「でも牧野に俺を必要としてくれるなら俺はずっと傍に居るよ?」
牧野曰く天使の微笑みで言うと牧野はみるみる赤くなっていく。
真っ赤な顔で俺を見て
「あのね花沢類・・・いつも迷惑かけて、面倒掛けてごめん!!
それと・・・いつも傍に居てくれて、相談に乗ってくれてありがとう!!」
一息に言って逃げるように走り去っていった牧野。
俺まだ何も言ってないのに。
俺を少しずつ満たしてくれる魔法の言葉。
あんたから
繰り返し囁かれる言葉
ありがとうとごめんなさい。
俺に幸せを教えてくれた牧野。
あんたから言われるから俺の心に響くんだよ?
だからまた言って?
俺の心に響かせて?
あんたの声で囁いて?
あんたが俺の幸せ・・・
終わり。
アレ????
何だこれw