あの日、あたしは過去は振り返らないって決めた
色褪せた彼の面影
花男・つくし
思い出に滲む
道明寺との一方的な別れからどれくらい経った頃からだろう。
頑張っても
願っても
叶わなかった事。
道明寺との未来。
あいつがあたしを忘れた事で消えた未来。
優しい瞳、声、どこまでも熱いあいつの想い。
一瞬にして消えてしまった。
あの時のあいつにとってあたしは、敵で・・・全く知らない女。
辛くて、悲しくて、哀しくて・・・憎みそうな程追い詰められた。
だから、あたしからあいつに別れを言った。
自分の中にケジメをつけたかったから。
そう、繋がってると思うとどうしてもあと一歩を踏み出せそうもなかったから。
だから、思い出の品と一緒にあいつに別れを告げた。
それから、ゆっくりだけれどあたしの心が癒されていった。
本当に少しずつだけれど。
想いは風化する・・・
昔、亜門が言ったことを実感している。
風化とは違うけれど、ただ、あいつに対する思いが変わった、見方が変わっただけ。
愛してるという気持ちはもう無い。
好きだけれど友人のソレ。
友人と言うよりも戦友のような思い。
あたしの隣には、今あたしが一番愛してる人。
小さなチャペル。
今日あたしは、この人と永遠の愛を誓う。
ゆっくりあたしを癒して見守ってくれた人。
彼の友人席には未だに記憶のない道明寺。
あたしは、友人にはなれなかったけれど・・・
もう過去は見ない。
思い出に滲む・・・
色褪せた彼の面影
終われ。
つくしのお相手は自由で・・・
because様よりお題お借りしました。