定番だよねこのボケは・・・
「いや～～～～～」
美作邸に響き渡る絶叫。
絶叫の元はこの館の主。
夢子さんと双子ちゃん。
いったい何があったのか？
「どうしたの？」
美作さんに問いかけると
頭を抱えて道明寺を指さしている。
・・・・・・・・・？
あんたなんて格好してんのよ？
あまりの馬鹿さ加減に掛ける言葉もないわ。
でも一応言わなきゃダメなのよね？
ってその役あたしの役なの？
クリスマスパーティーでそんな役やりたくないわよ！？
でもみんなの縋るような目
・・・はい。あたしの役ですね。
諦めて道明寺に向き直る。
「あんた・・・何その恰好？」
「あぁ？格好？サンタだろう？」
「どこがよ！？」
「あぁ！！何訳の分からないこと言ってんだよ！？」
「あんたの行動が一番分からなくて迷惑よ！！」
「サンタって黒いんだろ！！」
「はぁ！？サンタは赤よ！！」
「あぁ！！そんな訳あるか！！俺の家に来たのは黒いサンタだ！！」
「・・・・はぁ？」
「・・・司」
「・・・マジか？」
「・・・くす」
「・・・司かわいそう」
「・・・慰めますか？」
「・・・・」
みんなどう言って良いのか分からない。
もちろんあたしだってどうして良いのか分からないわよ！！？
どうしろというの？
この勘違い野郎を！！
「・・・何でサンタが黒いのよ？」
理由を追求すればわかるのかしら？
「あ？姉ちゃんが言ってたんだよ」
「お姉さんが？」
「あんたの所に来るサンタは絶対黒いわよ！！ってよ」
「ああ・・・悪い子？」
妙に納得してしまったあたし達。
だからってなんで今日そんな格好で現れんのよ？
「おい司・・・何でそんな格好でくるんだよ？」
気遣いの人美作さんが聞く。
「あ？だってクリスマスだろ？クリスマスと言えばサンタだろ？」
・・・こいつの思考回路どうにかしてください。
無理・・・こいつをどうにかしようって・・・
「絶対無理だし！！」
あ、うっかり声に出しちゃったよ・・・
「ぷぷぷ・・・牧野面白い」
花沢類笑い事じゃないんだって！！
「とにかく道明寺それ着替えて！！」
「チッ・・・せっかく盛り上げてやろうとしたのに」
いや盛り上がるというか夢子さんと双子ちゃん泣いてんじゃん！？
あんたの目は節穴か？
みんなそう思ったに違いない。
渋々着替えに行く道明寺に
「盛り上げたいんなら赤い服着たサンタになってきて」
とりあえずそう言ってみたけれど
たぶん通じてないような気もする。
今年のクリスマス・・・
道明寺の思考回路がまた一段と分からない
不可解な生き物と認定されたという事は間違いない。
「あいつＮＹに行って大人になったかと思ったけど・・・」
「ああ・・・一段と訳わかんねぇ思考回路になって戻って来たな」
「それってどうなんだろうな・・・」
「ぷぷ・・・でも思考回路単純なのは変わってないんじゃない？」
「単純ですけど・・・悪い意味の単純ですか？」
「え～司はアレでいいんじゃない？」
「いや・・・そういう問題じゃないだろう？」
もう気分はクリスマスパーティーどころではなくって
これからどう盛り上がろうかと言うより
これから道明寺をどう成長させるか会議になってしまっている
本人不在で・・・
本人は夢子さんにサンタクロースとはどんなものなのか？
どうあるものか？とういう話を切々と語られウンザリした顔をしている。
「いい？司君！！サンタさんは本来赤いの！！
黒い服のサンタさんは悪いこのところに来るサンタさん！！
だから・・・芽夢と絵夢のところ、もちろんみんなの所にくるサンタさんも
絶対赤いサンタさんなんだから！！」
いやいやいや・・・
もうサンタ要らないから。
サンタクロース信じる年じゃないから。
でも・・・
来るなら赤いサンタクロースがいい
黒いサンタクロースは
道明寺宛でお願いします。
そして説教お願いします。
いや・・・
真面な人間にしてください！！
そうこっそり願ったのは
あたしだけじゃ無い筈？
終わっちゃえｗ
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