結構我儘なんだ
花男・あきら独白
願わくば・・・
暴漢に刺され一命は取り留めたが
一番大切な記憶をなくした司。
最愛の女、運命の女・・・
そう自分で位置付けた牧野を忘れた司。
野生の勘で思い出す。
みんなそう思って楽観的に考えてた。
けれど事態は深刻で・・・
牧野を忘れた司は、昔よりも凶暴になり
周りすべてが敵の様な瞳をするようになった。
牧野は頑張っていた。
何より司を思って。
不器用だけれど優しいあいつに戻るようにと・・・
でも、頑張るにもいくら雑草でも・・・
傷付かないはずはないだろう？
強い瞳は陰り、笑顔もぎこちなく、疲れている。
俺は役に立たない？
ボロボロになっていく牧野を見ているのが辛い。
月夜にブランコで封印した牧野への思いが溢れ出す。
傷付きボロボロになっていく牧野を見つめ続け、壊れていくブレーキ。
止められない思い。想い。
告げることはできない思い。
告げればきっと牧野が困る。
それは解る。
だから言えない。想い。
公園のブランコ。
今日は牧野は居ない。
ゆらゆら揺られながら見上げる空に浮かぶのは
クレセントムーン
決して満月になれないまるで俺のようで・・・
悲しくなる。
牧野が傍に居ればきっとおれは
満月になれるだろう。
けれどそれは望んではいけない思い。
満月になりたくて・・・
太陽のようになりたくて・・・
望んでも叶わない。
でも出来る事なら
牧野を導く満月になれればいい
叶わない想いだけれど・・・
君の傍に居られるのなら
欠けた月のままでも構わないから
傍に居たい。
出来る事なら一番傍に・・・
それが、その想いが
俺の
鏡に映ったほんとうの、
想いで姿。
牧野には決して見せられない
伝えられない想い。
だから俺は、壊れたブレーキの部品を必死で掻き集めて想いを止める。
溢れた想いは君を包む壁になればいい。
俺の願いは
牧野の幸せだから・・・
終わり。
中途半端万歳ｗ
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