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DEVIL HEAVEN ~倉庫~

22・1・26 ダンス開始 倉庫化しました。こちらの更新はありません

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お題・愛し方で10のお題・6

6:助けてあげる(こっちを見なくてもいいから僕を脳の片隅において)




花男・あきつく



君を包む光でありたい・・・

司が刺され・・・一番大切な女の記憶を無くした。

 

 

牧野を運命の女と言っていた司。
思いが強すぎて忘れたと医者は言った。


 

思いが強すぎて忘れる?
そんな事あるのか?


 


執着が強すぎて忘れるなんて・・・

 

皮肉過ぎだ。



 

 

司が助かっただけでいい。
忘れているのなら思い出すまで頑張るから。
それでダメなら新しい関係が築ければいい。

 

黒目がちな大きな瞳に光を宿してそう言った牧野。






その決意を嘲笑うように

 

思い出す事も無く・・・
思い出すことを放棄しているように・・・
 


司は牧野に辛くあたる。


敵を見るような目で酷い暴言を吐く。



 

頑張ってどうにか会話をしようと接点を持とうと
頑張る牧野の瞳が日を追うごとに陰り出す。


 

それでも強がる牧野・・・見ている俺が辛くなる。


 

どこから出てきたのかある日を境に司の周りに纏わりつきだした女。

中島海。





あの女・・・無邪気な顔をしているが・・・どこか計算でもしているような感じがする。
総二郎や俺の見解では無意識で計算しての仕草だ。
一番性質が悪い。






分かっていての計算ならなんとでもなるが無意識でやっている分自分が悪いとは思わない。

自分が悪いのではなくすべて相手のせいだと位置づける・・・ホント性質悪い。





どうにか引き離そうとするも・・・
何をとち狂ったか司があの女を運命の女と思っている。

 

何がそうさせた?

 

滋も桜子もあの女に何か言ったようだが全く効かなかったようだ。

牧野は苦しんでいるけれどそれを俺達には見せない。

 



 

謎が解けるのにそう時間はかからなかった。



 

弁当・・・。


あの女は牧野の作った弁当を自分が作ったといったらしい。
司はそれを信じて中島海が自分の記憶の鍵だと思っているらしい。


 

俺達が何を言っても司は聞かない。

 


牧野が真っ青な顔で俯き公園のブランコに揺られていた。

 


何と無く気になって牧野の家の近くの公園へ来て見つけた。
俺の存在に気付いて無いようで・・・





涙を堪える事無く声も出さず泣いていた・・・いや

 

 

哭いてた・・・声無き慟哭・・・

 


封じたはずの思いが溢れ出す。

 


気付いたら抱きしめていた。

 


「そんなふうに泣くなよ・・・」

 


瞬間固くなる身体。
でもゆっくり宥めるように背中を撫でると少しずつ力が抜けてきた。

 

「み・・・まさ・・・かさん?」

 

「ああ・・・一人で泣くなよ・・・」

 

「・・・」

 

「言えないならいい何も聞かない。だけど一人で泣くなよ・・・
俺達・・・俺はそんなに頼りなくて役に立たない?」

 

「がうよ・・・違うよ・・・頼りなくなんてない・・・
役にだって立ってるよ?
でも・・・みんなにあまり迷惑かけられないよ・・・」

 

言葉に詰まりながら話す牧野に心が痛くなる。
もういいよ・・・
お前はよくやったよ・・・そう言ってやっていいだろうか?
本当によくやっている。


 


だからもう解放されてもいいよ・・・

 

俺が言ってもいいか?

 

俺じゃなくて類の方がお前は素直にきける?

 

つらつら考えていたら視線を感じて抱きしめたままだった牧野と目が合う。
牧野は真っ赤になって目を逸らして・・・

 


「あのね・・・美作さん・・・ありがとう」

 


「俺は何もしてないよ?」

 

軽く頭を横に振ってまだ赤い顔で俺に視線を合わせる。


 

「してもらってるよ?いつもあたしの事心配してくれてるじゃん・・・
半歩下がっていつもあたしを見ててくれてる。
いつも心配そうな顔で、でも余計な事を言わずに居てくれてる・・・
それがあたしにとっては凄く助かってた」



 

「・・・言いたい事はあったんだ・・・
でも頑張ってる牧野には言えなくて・・・言ったらだめだと思ってただ見てるだけだったんだけどな」

 


「言いたいこと?」


 

「ああ・・・もういいよって・・・牧野は頑張った。
頑張り過ぎだ・・・だからもういいって。
それ以上頑張ったら牧野が壊れちゃうと思った。
・・・・・・・・・・・・。
だから今言って良いか?」




 

ビックリした顔でこっちを見ている牧野。
返事は期待してない。
だからこの言葉をお前に言うよ?




 

「牧野は頑張った。
だからもういいんだ・・・
司の事を忘れろとは言わない。
でも、もういいんだ。
これ以上は牧野がダメになるだから・・・
もういいよお前は頑張ったから。だからもう司の為に頑張らなくてもいい

お前の牧野の事を考えて?
凄く疲れた顔してる・・・もう無理しなくていいから

 


俺の言葉を聞いて堪えていた涙が溢れ出す。




声を殺して泣いていたのに・・・
俺の腕の中で声を上げて泣いている牧野が





大切で大切で愛おしい。


 


俺を見なくてもいい。

 

 

だけど俺の存在を頭の隅に・・・
心の隅に置いておいて?

 




 

世界のすべてが敵にまわっても

 


俺が牧野を

 


助けてあげる。






 

牧野の涙を悲しむ姿を見たくないから。

 

 


どんなことがあっても俺は


 

牧野の味方でありたい。

 

だから俺を覚えておいて?

 

 

心の片隅でいいから

 

 

俺の居場所をお前の中に





頂戴?

 

 


君が望まなくても構わない。

 


俺が君を助けたい・・・





終わり。
毎度のことながら中途半端ダネw



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