僕らの戦争×僕の不幸
~郁の後悔と冷静の狭間で逝っちゃってるよ~
ハッハッハッハッハッハッハッハ・・・・・・どんなに呼吸が苦しくても止まったらダメだ!!
絶対!!
頭の中でそんな叱咤を自分に課しながら走る郁。
その背後には、ゆったりとした足取りで優雅ともいえる姿で歩いている律。
だが、懸命に走っている者とゆっくりと歩いている者の筈なのに郁と律の距離は広がるどころか縮んでいる。
しかも律は、無表情で笑い声を上げている、とても愉しそうな声で・・・。
「くくくく・・・どこまで逃げるつもりだ?まぁ・・・すぐ捕まえてもつまらないが・・・な」
背後でそう呟かれた声が聞こえてゾクリと背中に悪寒が走った郁。
低く小さく呟いたにも拘らず耳に響いてきた・・・そうソレはまるで
地獄の底、魔界の底の底から
聞こえる悪魔の呟き
の様だった。足の力が抜けそうになるのを必死に堪えてダッシュする。
「ご、ごめんなさい~~~~律~~~~もうしないからゆ~る~し~て~みのがして~~~!!」
ダッシュしながら叫ぶ。その顔色は、真っ青を通り越して白くなっている。
その郁の叫びにコトリと首を傾げて低く笑う。
「ほぉ~ぅ?その台詞は・・・何度目だ?言う前に・・・おとなしくしろ?」
律の台詞が終るか終らないかで、突然郁の足が金縛りにでもあったかのように動かなくなった。
郁は不審に思い足元をソロソロと見ると・・・地面から生えている手に足首を掴まれていた。
固まった郁。それを確認したのか、地面からゆっくりと出てきたのは、桜の式神だった。
式神は、郁を確認するとニタリと笑って襲い掛かった。
正気に返った郁が、間一髪避けると短く舌打をした式神。
「何で桜の式神が、俺を襲う訳!?」
郁の叫びにニタっと笑った式神。そして一言。
「あ、ソレは~主が、我々式神に付けた基本動作、オプションが貴方を・・・郁さんを攻撃♪ですから・・・諦めて殺られてくれやがってください?」
邪とでも書いてありそうな笑顔で言い切った。
「何ソレ!?基本動作!?オプション!?てか、敬語なの?そのおかしな話方は敬語なの!?」
何をどう言えば良いのか解らなくなったのかツッコミどころがおかしく、言ってる事もおかしくなっている郁。
その郁の首に腕を回し律は、耳元で呟いた。
「捕まえた・・・(邪笑)」
その呟きに落ちた郁。
「お~やっと郁捕まった?」
背後からのほ~んと、声を掛けてきた月。振り返る律の顔は、穏やかな笑顔が浮かんでいる。
「ああ、協力感謝。・・・っつか、今更歯医者イヤ!!って逃げるコイツを殺らなかった自分を褒めてぇ~とか思うのおかしい?」
「あ~?おかしくないと思うよ?って、コイツ精神年齢何歳な訳?このお陰で仕事時間詰まってるよ?先に行ってる桜がキレてそう」
空を仰いで月が言う。
桜の様子は、ココに居る式神を見れば明らかに解る。
そうとうキレていると。
着いた時の桜の郁に対しての攻撃は・・・。
「まぁ・・・郁なら大丈夫デショ?動物神経反射だし?」
月の台詞に軽く笑って頷く。
「だな。しかも、ゾンビ並みに打たれ強いし?」
そんな会話をしつつ、郁を引き摺り歩き出した。
未だ郁は、意識を失ったままだった(笑)。
終れ。
ぐだぐだ・・・。何だか解らないものになった。
因みに郁は、現地に到着後桜にフルボッコにされました。(笑)
人気ブログランキングへ