非日常が彼らの日常
日常的
今日も派手に響き渡る銃撃音。
「月(ゆえ)、あの爆音を止めてこんかい!!」
爆音に頭を抱えているギルドのマスターは、目の前に居るハンター月にそう言うものの当の月は、明後日のほうを見ている。
軽く溜息を吐いてマスターに向き直る、そして一言。
「アレは、無理絶対無理!!だってさ~郁の馬鹿のナンパのツケが律にむかちゃったんだも~ん?だから~
律ちゃん止めたって止まらないし~?やるだけ無駄?そゆ事でこの話は、終わり」
話は終ったとばかりに早々に部屋から出て行こうとする月を慌てて止める。
「ちょっと待たんか!!まだ、仕事の話がすんどらんわ!!」
そのマスターの台詞にチッと軽く舌打ちをした。
「という事でしご「却下!!(邪笑)」
マスターの言葉を遮ってどす黒い笑顔で却下する月。その笑顔に顔を引き攣らせるマスター。
だが、ココで引くわけにはいかないと、更に言い募ろうとした時、部屋の分厚い扉が
木っ端微塵に吹き飛んだ。
それに驚いたマスターと平然と扉の残骸を避けつつ安全圏に避難する月。
扉を粉砕したのは、律が撃ったマシンガンだった。音に続いて郁が、死相を浮かべて部屋に転がり込んできた。
「ゆ、ゆ、月ちゃ~~~ん!!たすけてぇ~~~!!」
真っ青な顔で、月に哀願する。
が、月は、真っ黒い慈愛の笑みを浮かべて
「断る!!俺は、どっちかと言えば~律ちゃんのみ・か・た・だから?」
と、疑問形を付けて言った。ソレを聞いた郁は、更に青くなり目を彷徨わせた所でマスターとバッチリ視線が合った。
「この際マスターで良い!!俺の代りに殺られてくれ!!」
目を血走らせてそう言うと、マスターを
律に向かって投げ付けた。
「貴様!!郁なにをするかぁぁ!?」
慌てたマスターが叫ぶが律が、目の前まで迫っていた。
「ジジイ……邪魔すると殺ちゃうよ?(邪冷笑)」
飛んで来たマスターを煩わしそうに床に叩き落す律。マスターは、ダメージが大きく床で気を失っていた。
「イヤ~なんかお前等愉しそうね?(黒笑)」
そんな3人のやり取りを見ていた月が、黒い笑みを湛えて言ってマスターをソファに投げた。
優しく運ぶという選択肢は、この3人には存在しないので誰もその行動にツッコミを入れない。
「あ~、ジジイ伸びてるし~仕事の話聞いてないケド…モトモト受ける気皆無だったから…帰ろ~」
そう言ってサッサと部屋を出て行く月、ソレを見て郁を追い掛け回すのに飽きた律が続いて部屋を出て行く。
郁は、助かった~と、息を吐き出し、マスターがまだ気絶しているのを確かめてから部屋を出た。
マスターの秘書が、この惨状に気付くのは、それから数時間後だった。
その後、説教と仕事を大量にくらったのは言うまでも無い。
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「ねぇ、今回俺って何もしてないのに~説教とかくらうのってどうなの?」
自室で符を制作していた桜が、不満そうに郁を睨む。
「ちょ、まっ、それって俺だけの所為じゃないじゃん!?」
郁が、言い訳をする。
「え~、ジジイ律に投げ付けたの郁じゃん?そして俺は、仕事の話でジジイに呼び出されてその場に居ただけ」
月が、そこであった事を言う。桜は、頷いてそんな事だろうね~と呟いた。
「あ~でも、俺飛んで来たジジイ叩き落した…邪魔だったし非常識に飛んで来たし?」
律が、思い出した様に言う。
だが、結論は、ジジイを投げた郁が悪いと、言う事に落ち着いた。
というか、誰も非常識に飛んで来たには突っ込まないクロイツメンバーだった。
一番の非常識は、この4人だとギルド内外問わず言われている。
でも4人は全く気にしていないのであった。
終わり。
お粗末さまでした。
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