罠その後
罠を一通り片付け一息ついた土方であったが、自室に戻り
休もうとして死にそうになった。
理由は簡単、自室の罠処理を後回しに屯所の至る所に仕掛けられた罠を
解除する事にし自室に仕掛けられたものの存在をすっかり忘れていたのだ。
自分の首スレスレ、壁に突き刺さる槍。
その槍にはご丁寧に毒が塗られていた。それもたっぷりコレでもかというほどに。
プルプルと肩を震わせ額に青筋を浮かべ廊下に出る。
ドスドスドスドスドスドスドスドスドスドス・・・・・・・
冷気を纏った足音と共に勢い良く総司の部屋の障子が開けられた
勢いよすぎて吹き飛んだが・・・。
「テメェ・・・何仕掛けやがってんだあぁ!?罠だけでも危ねぇのにご丁寧に
致死量毒まで塗ってやがるんだ!!本気で殺す気か!!?」
一息に言い肩で息する土方を口の筋肉だけで笑って見詰める総司。
「はぁ~?何言っちゃってるんですか~?そんな罠くらいで死んじゃうなんて
役に立たない副長なんて要らないでしょう?良かったですよ~土方さん生きていて~
存外しぶといと言うかアレ避けるなんて人間なんですかね?
あ、ソレより全部解除終ったんですか土方さん?」
心にも無い様な台詞なのか笑顔だが背後に残念というオーラが漂って見える。
「ふ・・・生きてて悪かったな~?つうか、合間に何ボソッと言いやがった総司?
解除はあと幾つ部屋に仕掛けられているかで変わる」
総司の部屋で冷戦勃発。
幹部達は止めなくてはならない立場だが、総司と土方の2人の間に
入っていく程命知らずではない、寧ろこのような所で命を使うような戦いを繰り広げることなどしない。
「なぁ・・・コレって私闘じゃないのか?」
「て言うより日常の1コマ?」
「あ~アレだ・・・親子喧嘩みたいなもんだろ?総司が我侭子供で土方さんが・・・」
「「「お母さん?」」」
上から永倉新八、藤堂平助、原田左之助である。
他の幹部はその会話を聞いてある意味納得するのである。
「・・・しかしソロソロ止めねば平隊士に示しがつかなくなる」
難しい顔でそう斉藤が言うとその場に重い空気が落ちてくる。
「いや、いいんじゃないか止めなくても?」
溜息をつきそう言ったのは近藤。
その台詞に首を傾げる幹部達。
ソレを優しく見て頷く。
「総司は甘えているだけだろうし、何だかんだで歳は世話焼きだそれに親子喧嘩はトコトンやれば分かり合えるだろう!!
だから、温かく見守る事にしよう」
笑顔でそう言われ
あ~そう言えば近藤さんってこんな人だったな。
て言うより土方さん居なかったら屯所まわらねぇよな?
つーかよ総司が副長になったら絶対ヤバイ!!
寧ろ終るだろう死合い大好きな総司が副長なんて。
数秒の間に幹部達によってそんな会話という脳内会議?がおこなわれた。
が、止める前に自分達が逝ってしまいそうな死闘が繰り広げられている為
2人の勢いが収まるまで見守るという結論に達した。
それからその死闘は、空が白むまで続いたらしい。
終れ。
あれ?何書きたかったのかな?
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