あたしの想いだけが残った
跡形もなく消えた想いの欠片
花男・つくし
道明寺に恨みを持つ人に刺さた。
瞬間で世界が真っ暗に染まる。
あたしやっとあんたにキチンと好きだと伝えたばかりなのに。
あいつもあたしを好きだと愛してると言ってくれたのに。
やっと思いが通じ合ったのに・・・
そんな思いが先に立つ。
目の前で血を流すあいつを見て我に返ってあいつを支える。
邪魔しないで、早く病院へ、救急車までもう少し邪魔しないで
「どいて！！邪魔しないで！！」
そう叫んで到着した救急車まで近付く。
一緒に病院へ行ってもあたしは、祈る事しかできない。
いつもは、何も願わないし祈らないのに
こんなときばかり神に祈る。
道明寺を連れていかないで。
道明寺を助けて。
お願い。
後は何も望まないから・・・
道明寺を助けて下さい。
祈りは通じた。
あいつは助かった。
嬉しかった。
ホッとした。
嬉しくてまた涙が溢れた。
でも、涙を見せたら心配かけるからと笑顔を作ってあいつの傍へ行く。
思いがけない現実にあたしの時間が止まった気がした。
あたしは、あいつに助かってほしかった。
望みは叶った。
喜ぶべき事。
例えあいつの中からあたしの記憶がなくっても・・・
道明寺に暴言を吐かれるたび
あいつの中から無くなった想いが・・・
小さな想いがあたしの心を傷付けていく。
思い出さないあいつ。
ならばあたしは、別れを告げる。
思い出だけ抱いてあたしはあたしの道を行く。
だからもう過去は見ない。
跡形もなく消えた想いの欠片
心の中の宝箱
厳重に鍵をかけ
想いの欠片を仕舞い込んだ。
終わり。
because様よりお題お借りしました。
[0回]
