類ならやりそう？
花男・類つく
靴下に入れる訳無いじゃん？
クリスマスにはサンタクロースが
枕元の靴下にプレゼントを入れていく。
そんな話を聞いてもそんなのある訳無いじゃん
と達観していた子供時代。
家は貧乏でプレゼントを買ってくれる余裕なてないし
クリスマスは家族でちょっと贅沢といえるだろう小さいながらもホールのケーキを食べる。
それが牧野家のクリスマスのあり方だった。
それに早々と言われた事。
『サンタクロースはクリスチャンの家以外は来ないわよ！！うちは仏教徒だから関係無いの
そんなつまらない事言ってないで勉強しなさい！！あんた達はいい学校に行ってママ達に楽させて頂戴！！』
そんな事を言われていてはサンタなんて幻想の生き物(？)を待ってられない
幸せになりたいなら欲しいものがあるなら自分でなんとかしなくちゃならないと子供心に悟ったもんよ。
思い出しても悲しいわねあたしの幼少期。
「ま～き～の♪」
ボーっと考え事に没頭していたら花沢類が隣から覗き込んでいた。
「うわっ花沢類！？いつの間に！！」
「ぷぷ・・・さっき？あたしの幼少期って何があったの？」
「聞いてたっていうかまた声に出てた？」
「ん。ばっちり？」
その答えに真っ赤になる。
あたし何ですぐ声に出るかな・・・。
「で、どうしたの？」
あたしの好きなビー玉のような瞳。
それと天使のような笑顔。
それで問われたら言いたくなくてもつい白状してしまう。
悲しいあたしの習性？
「ぷぷぷ・・・やっぱりあんた面白いよね」
「面白くないわよ！！クリスマス近くなると思い出しちゃってさ～
ママもママよ。はっきり貧乏だからプレゼントなんて買う余裕ないって言ってくれた方がいいわよ」
「ふ～ん」
「でもさ・・・本当に靴下に入れてくわけ？」
「・・・さあ？家は普通に届いてただけだし・・・
それに靴下なんて下げてないし」
「・・・でもさ・・・美作さんのお家ならありそうだよね？」
「あきらの家？」
「うん。だって夢子さんならやってそうじゃない？」
「・・・聞いたことはないけどあるかも？」
想像してるのか顔が笑っている花沢類。
「でもさ・・・牧野今年は楽しみにしててね？」
「へ？」
「俺がプレゼント用意するから」
「へ！？いいよ！！悪いもの」
「ダメ・・・？」
「ぐっ・・・でもあんまり高いものは貰えないからね！！」
「あいｗ」
そう約束だけはしておく。
守られるかは微妙だけれど・・・。
道明寺とは４年を待たず、２年で別れて今はいい親友でいる。
理由は・・・あたしがいつの間にか花沢類にまた惹かれているのに気付いたから。
道明寺は・・・何と無く分かっていたみたいで、ただ・・・幸せになれって言ってくれた。
でもその後中々言い出せずにいる。
だって、応援されて付き合ってたのに・・・
また花沢類が好きになったから別れましたなんて言えない。
だからまだ・・・誰にも別れたことは言ってないんだ。
「あたしバイトだからもう行くね？」
スカートの埃を払って階段を下りる。
「牧野気を付けてね？それと・・・
プレゼント期待してね？」
「・・・うん」
牧野を見送って非常階段に寝転がる
ちょっと寒い。
牧野へのクリスマスプレゼント。
靴下には入らないね？
どうしようかな・・・
くす・・・
牧野はまだ俺が気付いてないと思ってるけど
俺はもう司と牧野が別れた事知ってるんだよね。
それに
牧野が俺を好きだってことも知ってるよ？
司に聞いちゃったし？
電話してきて別れたって聞いて驚いて
でも・・・嬉しくなった。
その後に言われた一言に
夢かも？
って思って司に馬鹿にされた
ムカつくよね司のくせに
牧野喜んでくれるかな・・・
靴下には入らない
だから
靴下にプレゼントはない
でも
プレゼントはちゃんとあるから
もちろん
プレゼントは俺。
だってこうでもしないと
牧野・・・あんた絶対言わないでしょ？
俺が好きだって。
だから俺がプレゼント。
返品不可だからちゃんと貰ってよ？
ね・牧野♪
終わり。
やっちゃったよｗプレゼントは俺ｗ
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