2年前―
旅立ち前日
「あれ…シェーラちゃんどうかしたの?」
なんとも言えない表情で家の方に向かって来るシェーラちゃんに声をかけた。
「アシュこんにちは、元気そうね?ふふ~明日は待ちに待った旅立ちのひだものね」
そう挨拶してきたシェーラの顔色はやっぱり優れない。
「どうかしたの?何だか顔色が悪いよ?」
その問い掛けに意を決したようにシェーラちゃんが僕に言った。
「何かあるというよりも、たぶんこれからアシュレイに何かあるかもしれないのよ…というか、絶対に何かすると思うのよフェイの馬鹿が!!」
「…えぇ!?って何が?」
「それが何かとは分からないんだけれど…私の勘だから」
そう付け加えられた。
「シェーラちゃんの勘って外れて欲しいという事が物凄い確立で当たっちゃうって言うアレ?」
「そうよ…良くない事ばかりが当たる勘よ!!」
と、言い切られた。
シェーラちゃんは、ライトエルフだ。
そのせいか物凄く勘が良い。
でも、シェーラちゃんの場合、悪い事かだけが当たる。
その勘で、予言されたらやっぱり心配になってくる。
「……っで、シェーラちゃん…フェイの馬鹿は何処に行ったの?」
何かするかもしれない馬鹿の居場所だけでもハッキリさせておこうと思って聞いてみた。 「ソレがね…分からないのよ…昨日から帰ってないしね」 そう言って溜息を付くシェーラちゃん。 「ハァ~、そっか、それじゃあ仕方ないし、僕が気をつけるしかないね」 と、言った時背後から 【ズドォォォォォオン】 凄い音と土煙が上がった。 |