「ものすご~くヤな予感がする」
ポツリと言うとシェーラちゃんが、魔法の詠昌を始めた。
「…シェ…シェーラちゃん?」
問い掛けると
「アシュ…離れていなさいね?」
物凄く丁寧で、気遣ってくれているようなんだけれど顔が般若の如く恐いですよシェーラちゃん。
流石に声に出しては言えないけれど。
「アノ、馬鹿息子がっ!!」
そう叫んだ瞬間、魔法を発動させた。
「……家壊さないでくれたら良いな……」
微妙な願望を言ってみたけど、
「たぶん…大破するんだろうな~」
遠い目をして呟くアシュレイだった。
シェーラちゃんの、魔法の一撃でクレーターが出来上がった。
クレーターの外に、シェーラちゃんを忌々し気に見つめるフェイの姿があった。
「この、ババア!!いきなり何しやがる!!」
そうフェイが叫んだ瞬間場の空気が一瞬で絶対零度まで凍りついたような気がした。
「この私がババアですって?フェイの分際で生意気ね?そんなに叩き潰されたいのかしらね?」
笑顔なのに目が笑ってないシェーラちゃんが更に
「あんた、ハーフエルフなのに魔法の一つも出来ないのに私に勝つ気でいるの?ホンッとに馬鹿な子ね~」
と、付け加えた。
多少怯んだフェイだったが、僕の存在に気付くと僕に向かって笑顔で
「アシュレ~イ♪今日も美人さんだな~俺はアシュを愛してるぞ~♪」
と、叫んできた。
「うわっΣキモッ!!ウザイよ変態!?」
何時ものように返した。
コイツ何かオカシナ電波でも受信してんのか?
フェイは幼なじみというヤツだが、実際は僕のお祖父ちゃんと同じ年だ。
よく、お祖父ちゃんと2人でどうでも良いことで口喧嘩している。
マジ喧嘩するとシェーラちゃんが、問答無用で魔法放って仲裁する為流石にお祖父ちゃんは、命の危険を感じてフェイとはマジ喧嘩はやらなくなったんだそうだ。
でも、最近は僕に対してのフェイの態度の事もあって、フェイと言い争いの末のマジ喧嘩もある。
だから…ちょっとだけお祖父ちゃんに申し訳ないような気がしてる。
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